清水フィルハーモニー 管弦楽団
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ベイプレス 2005年8月27日号

奏者の横顔と団の内側にスポット

9月3日は
定期演奏会

清水フィルを2倍楽しむ

聞かせて!仕事と家庭・音楽とのハーモニー

演奏曲目はヴェルディーの歌劇「ナブッコ」序曲、ベートーヴェンの交響曲第2番。
そしてチャイコフスキー交響曲第6番の「悲愴」・・・。楽団員は明るい人達ばかり。
厳しい練習にも「悲愴」感はありません。でも、日常と音楽活動の両立は結構難し
い模様。清水フィルハーモニー管弦楽団の第19回定期演奏会は9月3日(土)。
演奏会を目前に、今回は「清水フィルを2倍楽しむ」と題して、奏者の横顔と団の
内側にスポットをあててみました。


子供を背負い練習 三立?は大変

 1987年に創団した清水シティー
シンフォニックが清水フィルハーモ
ニー管弦楽団の前身。現在50名
の楽団員が活動していますが、
発足当時は楽団員より賛助出演
者の方が多い状態だったとか。
 楽団員の悩みは今も昔も同じ。
「仕事・家庭・音楽の三立は大変」
と話すのはクラリネット奏者の鈴
木教代さん。
 「子供が小さい頃は、練習に行
こうとすると泣かれました。同じ楽
団員の主人も一緒に留守になり
ます。同居の母に子守をお願いし
て練習に参加。家族の協力無しで
は続けられなかったかも。」と、当
時を振り返ります。
 大手企業勤務の技術者で、ヴィ
オラ奏者の剣持秀紀さんの場合も
夫婦揃って楽団員。子育ても現在
進行形で、預けるところが無いと
子供を背負って練習へ(写真)。な
んとも微笑ましい光景ですが、これ
も市民オーケストラならでは。

浜松に横浜、榛原からは住職

 森田勝准さんも仕事柄時間の
調整が難しい楽団員の一人。
 「普段は男声独唱兼打楽器担
当ですが、オーケストラではバス
ーンを吹いています」。その普段
のお仕事とは、読経と木魚・・・室
町時代から続く榛原の長興寺の
ご住職。
 厳しい練習を経て演奏会当日、
葬儀で欠席した経験の持ち主。
本人は「仕方ないですね」と笑い
ますが、不憫に思った楽団員から
は「演奏会を友引の日にしたらど
うか」という案も出たそう。
 森田さんのように清水区外から
練習に参加している楽団員はほ
かにも。
 トロンボーン奏者の池田憲司さ
んは浜松市在住。毎週金曜日に
は東名を走り練習会場へ。そして
翌土曜日には日本平でエスパル
スの試合観戦。「それが私の週末
・清水モード」とか。
 ミュージカル俳優を目指し、この
春から横浜で勉強中のヴァイオリ
ン奏者、山本志織さんは「アットホ
ームで、いざとなるとちゃんと熱く
なれる清水フィルが大好き」。
 仕事とレッスンというハードスケ
ジュールを縫って、月に一度は練
習に参加。「制約はありますが、
それに負けない気持ちで頑張りた
い」と熱っぽく話していました。
 来春には楽団員のチェロ奏者と
結婚予定。現在夫婦は3組。結ば
れたカップルは累計5組、「決まり
そうなのがもう1組いる」(楽団員)
そう。

増やしたい人数 探せない会場

 おめでたい話の一方で、「出産で
夫婦での参加は難しくなるので、
団が援助して託児サービスができ
れば」と、結婚退団対策を考える
のはコンサートマスターの春田哲
弥さん(次郎長通りメガネの春田
専務)。
 「運営スタッフを含めあと20人は
欲しい。人数が増えれば解決する
問題も多い」。その春田さんが最も
悩んでいるのは練習場の確保。
「スペースはもちろん、使用料の
問題も大きく、選択肢は非常に狭
いです。抽選にもれたら練習がで
きなくなります」。さらに「音響はク
ラシック音楽にとっては大きな問
題」にもかかわらず「静岡市の施
設はよくない」と春田さん。
 「清水文化センターは老朽化が
進み、静岡文化会館も音響が悪
い。またグランシップ中ホールは、
収容人数が少ない。大ホールは
大きすぎるしクラシック音楽には不
向き。富士市、沼津市、焼津市、
浜松市には音響の良いホールが
あるのにどうして」と顔を曇らせま
す。

欲しい 音楽支援サポーター

 団長の杉本道信さん(敬順堂薬局
薬剤師)は加えて、「音楽の好きな
人が集まって、一つの大きな活動
にしていく核をつくらなければ」とも。
 文化行政には「できれば他地域か
ら音楽団体を呼べるような合宿が可
能な施設の建設を」と提案。「多くの
人が宿泊して文化活動するというこ
とは地域に及ぼすその経済効果は
大きい」と話していました。
 政令市静岡。規模の割に楽器を続
ける人が少ないとの印象をもつ杉本
さん。音楽団体を支援するサポータ
ー組織の必要性も感じているようで
す。

障害乗り越え 迎える演奏会

 「未経験者の入団は前例がないと
言われ頭が真っ白になった」のはY
子さん。当時のコンサートマスターが
練習日ごとに早めに来てヴァイオリン
を教えてくれる事になり入団。「あれ
から17年、楽しいオケに出会えて本
当に幸せ」と笑顔。
 先陣を切ってくれたY子さんのお
陰か、今では大人になって楽器を
始めた楽団員も多いそう。
 9年前から指揮をとる藤崎凡さん
は「初めは自分が音を出せれば満
足という人が多かったようですが、
市民オーケストラとしての意識の向
上とともに演奏レベルも上がってい
ます。メンバーが増えるともっと良い
音が出せるでしょう」と、将来にも期
待を寄せます。
 活動は2年に3回の定期演奏会、
年末の市民による歓喜の歌大演奏
会出演。その他にも音楽教室や、
地元合唱団との演奏会、少人数
でのサロンコンサートなどを行っ
ています。練習は毎週金曜日。